乾燥ぜんまい 古からの恵【特A】

山の恵は 西和賀の宝

西和賀地方、特にも旧沢内村は山菜やキノコの宝庫として有名である。
それらは昔から現金収入の少ないこの地方の人々にとって貴重な収入源であった。

しかしながら山菜やキノコ採りの魅力は単にお金になるということばかりではない。
それらが生えている場所を見つけた時や、その場所にたどり着くまでのあのドキドキするほどの感動こそがその魅力なのである。

だからこそ山菜採りの名人と呼ばれる人たちは、そのシーズンになると、山に生え出しているその様子が目に浮かんできて、矢も盾もたまらずに出かけていくのである。

そしてこのことはおそらく縄文時代から続いてきているに違いない。
なぜなら1万2千年もの間、自然の恵みを活用している彼らがこうしたことをしないはずが無いからである。




ゼンマイ採りの魅力とは・・・?

山菜採りのなかでも特に名人たちを駆り立てるのはゼンマイ採りである。
「ヒラツキ」一面に生えているゼンマイは見事という他はない。

「ヒラツキ」というのはこの地方の方言で、冬場に尾根筋に降り積もった雪が雪庇となって発達し、春先の気温の上昇に伴ってその重みであちらこちらに亀裂が入り、やがて全層雪崩となって崩れ落ちるような、比較的湿り気のある急峻な斜面のことである。

50〜60cm程に成長したゼンマイが、一株から7〜8本も生えていて、
数千株もの数でその「ヒラツキ」一面を覆い尽くしている光景を目の当たりにした時の感動は、とても言葉では言い表せるものではない。

その魅力は「魔力」と言ってもいいのかもしれない。

ゼンマイ採りの名人たちが一度に背負って来ることができるゼンマイの量は大体25〜30kg程であるが、
かつては40kgも背負ってくる豪傑もいたそうである。

それでも乾燥されたゼンマイの歩留まりは一割程度にすぎない。

ゼンマイは一度乾燥してからでなければ食べることが出来ないので、
採取されたゼンマイは釜でゆでてから「筵(むしろ)」などに広げ、丁寧に揉みながら仕上げられていく。

ゼンマイのゆで加減は非常に微妙で、仕上がりの良し悪しはこのゆで加減次第といって良い。

上手に仕上げられた干しゼンマイの色合いは「飴色」と称され、暗赤黄色となっている。

こうしたものは食べた時の歯ごたえも程良い「しなみ」があり絶品である。

また一言でゼンマイ揉みとは言っても、炎天下の中で繰り返し何度も揉まなければならないし、
ゼンマイが割れないように、最初は優しくゆっくりと揉まなければならないので大変な重労働である。

そのため家にあってこうした役割を果たしてくれる人がいなければゼンマイ採りをすることが出来ない。


<おいしさを生み出す ぜんまい揉み>




<太く長いく 歯ごたえがある 高橋さん自慢のぜんまい>




危険で重労働な 乾燥ぜんまいづくり。それでも、つくり続ける理由は「古の血を受け継ぐため」

このようにゼンマイ採りとそれを仕上げることは大変な重労働であるが、
実はゼンマイ採りというのはそれ以上に大変な危険を伴うものである。

前述したように「ヒラツキ」というのは全層雪崩が起きるような大変急峻な斜面であり、
ゼンマイ以外にはタニウツギなどの灌木類がまばらに生えているだけで、湿り気もあり大変滑りやすいのである。

このような場所でゼンマイ採りをするためには、
先ず背負って帰るためのリュックサックや南京袋などは、沢沿いや尾根筋の比較的平らな場所に置き、
「コダシ」と呼ばれる入れ物だけを肩から下げて、それが一杯になったら一度戻って「コダシ」を空にしてから再び採りはじめる。

こうしたことを4〜5回ほど繰り返すと目標の量に達するのである。
足にはスパイク付きの地下足袋を履くか、「金カンジキ(アイゼン)」を付けて滑らないようにし、
まばらに生えている小径木を頼りに、片方の手は常にそれらに掴まりながら慎重にゼンマイを採っていくのである。

枯れているものや折れてしまいそうなものには絶対に掴まってはならない。
それでも時として不慮の事故につながってしまうこともしばしばで、命を落としてしまうことさえある。

ゼンマイ採りの危険はゼンマイが生えている斜面ばかりではない。
ゼンマイ採りのシーズンは5月の初旬から6月の中旬までであるが、
この頃、里の雪は全て消えているものの、ゼンマイが生えている奥山では沢沿いのあちこちにまだ「雪渓」が残っている。

「雪渓」というのは冬に積もった雪が沢沿いに細長く残されたものを言うが、
天気の良い日はこの雪が急激に解け出して沢の水かさが増し、川が越えられなくなる時がある。

そのため天気の良いときほど朝早く出掛けて行き、できるだけ早く帰ってこなければならない。
また気温が上がると、重い荷物を背負って雪渓を渡り歩くこと自体が大変危険である。

「雪渓」の下は水が流れていて空洞状態となっているが、その両端ほど雪が厚く、真ん中にいくほど薄くなっている。
そのため真ん中は絶対に歩いてはいけないし、沢の地形によっては端の方でも薄くなっているところがあるので、どこが安全なのかを慎重に見極めながら歩かなければならない。

<雪渓>




こんなにも危険なゼンマイ採りであるにもかかわらず、春になると今でも多くの人たちが山の奥まで出かけていき、
庭先に筵を広げて立派なゼンマイをたくさん干している光景があちらこちらで見ることができる。

一昔前ならいざ知らず、今では現金収入だけが目的ならもっと楽な手段がたくさんある筈である。
それならどうして名人たちはゼンマイ採りに出かけていくのだろうか。

その答えは、私たち沢内の人間は、1万2千年もの間一つの文化を守り続けたあの縄文人の血を色濃く受け継いでいるからに他ならない、と私は確信している。

(文/西和賀沢内マイスター 高橋康文)

【内容量】
30g

【原材料】
ぜんまい
     
【保存方法】
直射日光や高温多湿を避け、開封後は密閉し、涼しいところで保管してください。
水でもどした後は早めにお召し上がりください。

【発送】
常温での発送とさせていただきます。
なお、冷凍品・冷蔵品との同梱は致しかねますので、ご了承ください。(別途送料がかかります)


<<ご購入ご検討のお客さまへ>>
この度は、当ショップをご覧いただきありがとうございます。
お買い物の際に、事前に下記につきましてご留意ただ来ますようお願いいたします。

◆メール受信の設定につきまして◆
ご注文後、自動でご注文確認のメールが配信されます。

銀行・ゆうちょでの振込で決済されるお客様には、
こちらのメールにて振込先のご案内をさせていただいております。

迷惑メール設定をされているお客様は、
【sawauchisyoku@gmail.com】からのメールを受信できる設定後に、
ご注文のお手続きいただきますようお願い申し上げます。

※万一、メールが届いていない場合は、一度迷惑メールボックスをご覧いただき、
受信できていない場合は、当ショップにご連絡いただきますようお願いいたします。
(ご連絡先はこちら
  • 2,160円(税込)